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技術・製品コラム

建設業界の「機械損料」とは?初心者にもわかる基本解説

機械損料とは

建設工事の現場で使われるショベルカーやブルドーザー、クレーン、削岩機などの建設機械。
これらを使うためには、機械の稼働や維持にかかる費用が発生します。 その費用をまとめたものが「機械損料(きかいそんりょう)」です。簡単にいえば、「機械を動かすために必要な費用」を見える化したものです。

機械損料は、工事の見積や積算を行ううえで欠かせない指標の一つであり、 正確に理解しておくことで、より適正な原価管理や効率的な施工計画につながります。

損料について

機械損料の内訳は?

主な内訳は次の3つです。

  • 償却費:機械の購入費を耐用年数で割り、使用に応じて計上する費用
  • 維持修理費:故障や整備、現場での修理にかかる費用
  • 管理費:保険料、公租公課、格納・保管などの管理にかかる費用

これらを合計したものが機械損料であり、建設機械を所有・運用するための実質的なコストを示しています。

機械損料の考え方

機械損料の内訳をもう少し詳しく

機械損料は「運転損料」と「供用損料」に分かれます。

  • 運転損料:燃料、油脂、電力、運転手の人件費など、機械を実際に動かすときに発生する費用
  • 供用損料:現場で機械を使っている期間に発生する固定的な費用(例:保険や保管料など)

つまり、機械損料とは「動かすための費用」と「使っている間の費用」を合わせたものです。
これにより、単なるレンタル料とは異なる、より実態に即したコスト算出が可能になります。

機械損料の基本的な計算方法

機械損料 = 運転損料 + 供用損料
=(運転1時間あたり損料 × 運転時間)+(供用1日あたり損料 × 使用日数)

運転時間は現場で実際に機械を動かした時間を基準に算出し、 供用損料は使用日数をもとに計算します。
この式によって、使用期間や稼働状況に応じた現実的なコストが求められるようになっています。

機械損料の活用場面

機械損料は、建設工事のあらゆる場面で利用されています。

  • 工事の積算や見積り作業
  • 施工計画書の作成
  • 建設機械の稼働計画や保守管理
  • 原価管理資料としての活用
  • 建設機械貸与・リース契約時の費用算定

特に、発注者と施工業者の双方にとって共通のコスト指標として利用できる点が大きな特徴です。
そのため、建設機械の管理や経費算出を行ううえで、欠かせない基礎データとなっています。

算出時の注意点

機械損料を算出する際には、いくつか注意が必要です。

  • 機械に取り付けるアタッチメント(バケットやブレーカーなど)は、重複計上しないようにする
  • 原動機を組み合わせて使用する機械(ウインチやポンプなど)は、セット単位で算出する
  • 燃料や油脂の消費量、使用日数などは、標準的な基準値をもとに見積もる

こうしたルールを守ることで、工事ごとの見積が統一され、過大・過少な積算を防ぐことができます。

まとめ

「機械損料」は、建設機械を効率的に運用するためのコストを正しく把握するための重要な指標です。 単なる経費計上ではなく、機械の稼働率や保守コストを含めた“トータルな原価管理”を行うための基礎となります。

この考え方を理解しておくことで、見積の精度向上や経費削減、ひいては工事全体の生産性向上にもつながります。


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